今、伴奏の曲の一つに「アマランタの四つの歌」という曲を弾いています。
この曲は、イタリア近代歌曲の作曲家 トスティとイタリアの詩人 ダンヌンツィオの詩によります。
当時イタリアではオペラを主に作曲をされていた中、トスティは生涯サロン風の歌曲を沢山作曲しています。イタリア近代歌曲では、詩に魅せられた作曲家達が、詩に曲をつけて作曲していました。
トスティもダンヌンツィオの詩才に魅せられた一人であり、イタリアに多大な影響も与えた詩人でした。
度々ダンヌンツィオの詩による曲を弾いていましたが、この「アマランタの四つの歌」を弾いていて、「ダンヌンツィオってどんな人なのだろう?」と詩をみて、考えれば考える程ハテナ???ばかりで、私には理解するのが難しかったので、よう先生に教えていただきました。
「アマランタ」とは「不凋花(ふちょうか)」と言われ、永遠に色あせず、しぼまないという想像上の花で、不死の象徴とされています。
この曲は、4曲で一つの曲集になっていて、1曲目に出てくる旋律が4曲目にも流れてきてトスティの作曲した曲を聴いていると、とても美しい曲集になっています。
ダンヌンツィオの詩による題名は
1.そっとしておいて!一息つかせて
2.暁は光から影を分ける
3.無駄に祈る
4.賢者の言葉よ、何を語っているのか?
とても意味が深く感じました。
先生に説明していただき本当にビックリしました! 内容はダンヌンツィオの恋愛した女性への思いを詩にしているとは思っていたのですが、思った以上にダンヌンツィオの思いは深く、濃厚な表現で、思いが強く、熱く、とてもここには書けないほどの大胆な表現や、私が苦しくなってしまう位の表現ばかりなのです!
先生のお話によると、ダンヌンツィオは美男で、当時有名な女優であったドゥーゼなど、誰もが憧れるような美人な女性ばかりと恋に落ちるのですが、なかなか永遠の幸せを掴めずに苦しい思いもされていたそうです。
(すべての植物は愛の血にそめられる。それが溢れていっぱいになる時に命は立ち去る。 傷つけられて死んでゆくが、あなたの剣で傷ついたわけではない。破裂する音もなく、私の胸は空っぽになる。)
ダンヌンツィオはこのような表現を詩に書いています。
歌曲を弾く時には「詩」も理解しないといけないので、これからも「詩」のお勉強をする機会もふえそうです。