∮ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート

 

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは毎年1月1日にウィーンの学友協会の大ホール(黄金のホール)で行われます。 12月31日の大晦日に、ゲネプロ(最終練習)を兼ねて同プログラムで同じ場所でジルベスタコンサート(ジルベスタ「大晦日」)も行っています。

今年の指揮者はロシア出身のマリス・ヤンソンスさんでした。ヤンソンスさんは2006年にも指揮をされ、今年は二回目です。指揮者は、毎年1月2日に次年の指揮者が、楽団員全員の投票によって決定されるようです。もう来年の指揮者は決定されているのですね(^_^)/~

2002年には日本人で初めて指揮されて話題になった小澤征爾さんや、カラヤン、アバド、ムーティ、バレンボイム、アーノンクールなど歴史的に残る巨匠の指揮者が選ばれています。 私もウィーンに行った時、ホール内観光で黄金のホールに行って憧れの式台の上に立ったのですが中継で見ていると素敵なホールすぎて夢のようです♪

新年のコンサートの為に飾られるホールの美しい花々は1980以来イタリアのサンレーモ市から贈られることが伝統になっているようです。 毎年立派なお花が一層舞台を華やかにし、今年のお花は赤と白のバラや赤白緑の組み合わせが可愛らしくて私好みでした。

このニューイヤーコンサートは70年以上の歴史があり、ウィーンがいい状態でない時代にウィーンの人の為に楽団が演奏して元気づけようと始まったそうです。曲目はシュトラウス一家のワルツ・ポルカ・行進曲などの明るく陽気なウィーン風の音楽が主に演奏され、聞いているだけでとても優雅な気持ちになり楽しくなってしまう曲目ばかりです。

【シュトラウス一家】

・「ワルツの父」と呼ばれているウィンナ・ワルツの原型を作りあげた、ヨハン・シュトラウス1世

・ヨハン・シュトラウスの長男、ヨハン・シュトラウス2世。父から受け継いだワルツを、より芸術性に高め発展され「ワルツの王」と言われています。ワルツを170曲、ポルカを120曲、行進曲、オペレッタなど有名な曲も多く、生涯500曲近く作曲しています。

・次男のヨーゼフ・シュトラウス

・三男は幼少期に亡くなってしまい、 4男のエドゥアルト・シュトラウス。がいます。

 

 

今年の最初の3曲は、ウィーンフィルが初めて演奏する新曲でした。

第1曲目の「祖国行進曲」は、ヨハン(長男)とヨーゼフ(次男)のシュトラウス兄弟の合作の行進曲で、父の名作「ラデツキー行進曲」や当時の国歌のメロディーが引用され、第2曲目のワルツ「市庁舎舞踏会でのダンス」にも代表作「美しく青きドナウ」の主題が引用されていました。

この2曲「ラデツキー行進曲」、「美しく青きドナウ」は毎年お決まりのアンコール曲になっていて、コンサートの締めくくりのメロディーなのですが、プログラムの初めにもメロディーが流れ、てユニークなプログラムになっていました。指揮者ヤンソンスさんがロシア出身ということもあり、チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「眠れる森の美女」より「パノラマ」と「ワルツ」もニューイヤーでは初めての演奏で珍しいようです。

 ウィーン少年合唱団も14年ぶりに出演したり、4男のエドゥアルト作曲のカドリーユ「カルメン」ではビゼーのカルメン、ウィーン風で楽しかったです。蒸気機関車のギャロップで汽笛の音や、鍛冶屋のポルカでは指揮者がトンカチで鍛冶屋の音を鳴らす演出もありました。 マズルカ「燃える恋」は豪華な美術館で画家クリムトの代表作「接吻」の前でバレリナーの踊りも見応えあり、バレリーナはとても美しかった(^・^)

今年のプログラムはとても盛り沢山でした!

【第一部】

1.      祖国行進曲 (シュトラウスⅡ・ヨーゼフ)

2.      ワルツ「市庁舎舞踏会でのダンス」 (シュトラウスⅡ)

3.      ポルカ「あれか、これか」 (シュトラウスⅡ)

4.      トリッチ・トラッチ・ポルカ (シュトラウスⅡ)

5.      ワルツ「ウィーン市民」 (ツィーラー)

6.      アルビオン・ポルカ (シュトラウスⅡ)

7.      騎手・ポルカ (ヨーゼフ)

【第二部】

8.   「悪魔の踊り」 (ヘルメスベルガ―) 

9.   ポルカ「芸術家の挨拶」(ヨーゼフ) 

10.  ワルツ「人生を楽しめ」(シュトラウスⅡ)

11.  シュペール・ギャロップ(シュトラウスⅠ)

12.  コペンハーゲン蒸気機関車のギャロップ (ルンビー)

13.  鍛冶屋のポルカ(ヨーゼフ)

14.  カドリーユ「カルメン」 (エドゥアルト)

15.  バレエ「眠れる森の美女」より「パノラマ」と「ワルツ」(チャイコフスキー)

16.  ピチカート・ポルカ(シュトラウスⅡ・ヨーゼフ)

17.  ペルシャ行進曲 (シュトラウスⅡ)

18.  マズルカ「燃える恋」(ヨーゼフ)

19.  ワルツ「うわごと」(ヨーゼフ)

20.  ポルカ「雷鳴と稲妻」(シュトラウスⅡ)

~アンコール~
チック・タック・ポルカ(シュトラウスⅡ)

    ワルツ「美しく青きドナウ」(シュトラウスⅡ)

    ラデツキー行進曲 (シュトラウスⅠ)


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