ブログを始めて3年少しが経ちましたが、音楽に関係する記事〝Con l’armonia(コン・ラルモニーア)通信〟を定期的に更新していきたいと思っています。
ピアノ、お仕事で何年も音楽に接しているのにもかかわらず、きちんと知らないことが多すぎる私。
音楽好きな方とお話する機会には、かなり専門的なことを質問されたりすると、自分の未熟さに恥ずかしくなることが良くあります。
私が日々音楽をしていて気になったこと、知りたいこと、書きたいこと、そして読んで下さる皆様にも音楽の楽しさなどが伝えられるような通信になればと思っています。
Con l’armonia(コン・ラルモニーア)通信 vol .1
∮vol .1 「ロッシーニ」♪
先日いただいばかりの贅沢で大好きな組み合わせ、〝牛フィレ×フォアグラ ロッシーニ〟のお料理。
〝ロッシーニ〟や〝ロッシーニ風〟などのお料理名をよく聞きますが、イタリアの作曲家「ロッシーニ」が由来になっています。
ロッシーニ(Gioachino Antonio Rossini:1792-1868)は、イタリアのアドレア海に面したペーザロで生まれた作曲家ですが、美食家としても知られています。
ロッシーニと言えば、オペラ作曲家というイメージが強く、生涯に39のオペラを作曲しています。
有名なオペラに「セビリアの理髪師」や「チェネントラ(シンデレラ)」「ウィリアム・テル」などがありますが、10代後半からの約20年間、37歳の時に最後のオペラ「ウィリアム・テル」を作曲した後にはオペラ曲を作曲しないでサロン風の歌曲やピアノ曲、宗教作品を中心に作曲を行っていました。
多くの作曲家は、習作時代にピアノ曲や室内楽を書いて評価され、その後に交響曲やオペラ、オラトリオなどの大規模な作品を手がけていましたが、ロッシーニは反対で若くしてオペラ作曲家として活躍した後、晩年は主に歌曲やピアノ曲などの器楽曲を手がけています。特に人生の最後には、ピアノ曲に力を入れ、数々の作品を残していました。
今までロッシーニのピアノ曲を聞く機会も、演奏する機会もほとんどなかったので、今回沢山のピアノ曲を残していたことを知って驚きました。
ロッシーニは、実は37歳で「ウィリアム・テル」のオペラの後には晩年まで作曲活動を引退してしまうほどの食べることが大好きな作曲家。 美食家、料理家としても知られ、オペラで作曲家として成功を収めた後には、グルメ三昧の後半生を送りました。
食べることにかなりの情熱を傾け、牛フィレ肉やフォアグラ、トリュフなどの贅沢な食材ばかりが好みでもあり、これらを使った創作料理を考案に力をいれていました。
一般的に「ロッシーニ風」というと、フォアグラやトリュフを使った料理を言うそうです。
イタリアのボローニャではトリュフを掘る豚の飼育に没頭したり、パリでは「グルメのための天国」という会員制レストランもオープンしたそうです。
そこで、晩年1855年にパリに移住したロッシーニは、毎週美食の晩餐会ともいえるプライベートサロンコンサートを催し、自宅で著名人を招いて新曲発表もしていました。
当初、土曜日に行われていたため「土曜の夜会」というタイトルで、ロッシーニは、ここで演奏する為の曲として声楽曲や、中でもピアノ曲を多く作曲されたそうです。 とは言っても、このコンサートは、ロッシーニが周到に企画・選曲した本格的な演奏会で、器楽曲からオペラアリア、アンサンブルまで、ここでは当時有名な歌い手さんや、リスト、モシュレス、タールベルク、ルビンシュテインなどの一流ピアノニストが演奏をし、ゲストにはヴェルディやグノー、サン=サーンスなど作曲家達も興味深々に聴きにきていました。
ここでも、あまりにも料理が好きだった為、料理の名前や食材を題名にした曲を沢山作曲されています。
錚々たる作曲家や演奏家の前で新曲を披露するので、ロッシーニは新しい作曲技法と斬新さを求めて作曲したため、後の作曲家やピアノの曲において、とても貢献された作曲家でもありました。
題名をみただけでもかなりユニークな曲、
≪四つのデザートと四つの前菜≫全8曲をご紹介します。
【四つのデザート】
1.干し無花果
2.アーモンド
3.干しぶどう
4.はしばしの実
【四つの前菜】
5.ラディシュ
6.アンチョビ
7.小きゅうり
8.バター
他にも、「やれやれ!小さなえんどう豆よ」、「ロマンティックな挽肉」など、気になるタイトルです。
最後に、ロッシーニと呼ばれているカクテルをご紹介します^^
【ロッシーニのカクテル】
苺のフレッシュジュースとイタリアの発泡ワイン、スプマンテに混ぜたカクテル。
スプマンテを使うのが、”ロッシーニ”の本式な作り方のようです。
ロッシ二の曲を聴きながら、いただいてみたいカクテルです♪♪♪