∮Con l’armonia(コン・ラルモニーア)通信 vol.5

 ∮Con l’armonia(コン・ラルモニーア)通信 vol.5♪

Con l’armonia(コン・ラルモニーア)通信 vol.5は、プッチーニ作曲 オペラ『La Boheme (ラ・ボエーム)』のあらすじについて書きたいと思います。

 

【La Boheme ~プッチーニ作曲 オペラ『ラ・ボエーム』全4幕】

 

『ラ・ボエーム』とは、「ボヘミアン」のことで、1830年当時のパリに多くいた芸術家の卵たちは貧しく、しかし、希望にあふれて過ごしていました。オペラ『ラ・ボエーム』はボヘミアンの日常的な風景を描いています。プッチーニ自身も20代で故郷ルッカからミラノに出て、苦学に励んでいました。

◾︎主な登場人物◾︎

・詩人のロドルフォ

・画家のマルチェッロ

・音楽家のショナール

・哲学者のコルリーネ

・ロドルフォと恋に落ちるミミ

・マルチェッロの元恋人ムゼッタ

【第1幕】

舞台は1830年頃のパリ。あるアパートの屋根裏部屋で、ボヘミアンと呼ばれる芸術家の卵たち、詩人ロドルフォ、画家マルチェッロ、音楽家ショナール、哲学者コルリーネが貧しいながらも陽気に共同生活をしていました。寒さに凍える屋根裏部屋でロドルフォの書いた原稿を燃やして、つかの間の暖をとっています。 クリスマス・イブの夜、ショナールがたまたま稼いできたお金で4人は街に繰り出そうと意気投合します。

詩人ロドルフォだけは原稿を仕上げてから行くことになり仲間を送り出すと、隣人のお針子ミミがろうそくの火をもらいに訪ねてきました。ミミは戸口で鍵を落としてしまった上、風でロドルフォのロウソクも消えてしまいます。暗闇の中、手探りで鍵を探す二人の手がふれあい、二人は恋に落ちて仲間たちの待つ街へと出かけていきます。

暗闇の中では、先に鍵を拾ったロドルフォは、それをポケットに入れ、鍵を探すふりをして、ミミの手を握ります。このとき歌われるロドルフォのアリア「冷たい手を」と、その後でミミが自分のことを知ってもらうために歌うアリア「私の名はミミ」はとてもロマンティックな場面です。

 

【第二幕】

クリスマス・イヴで賑わうパリの街。ロドルフォは、カフェ・モミュスで先に愉しんでいた仲間3人にミミを紹介します。

カフェ・モミュスで祝福の乾杯をしようとすると、そこへ画家マルチェッロのかつての恋人ムゼッタが登場します。彼女はパトロンのアルチンドーロを従えて得意そうでしたが、ひとり無視しているマルチェッロを見て憤然とします。始めはぎこちなかったものの、お互いにまだ惹かれあっていることに気付いた二人は、よりを戻します。ムゼッタのパトロンだったアルチンドーロに勘定書きを押しつけて、芸術家たちはムゼッタを担いで群衆の中に消えて帰っていきます。

 

 

【第3幕】

雪が降りしきる早朝、ミミはマルチェッロに、自分の恋人ロドルフォが最近冷たいことを相談します。そこにロドルフォが現れたのでミミは物陰に隠れましたが、彼はマルチェッロに「ミミを愛しているけれど、彼女は結核を患っていて、今の貧しい暮らしでは薬を買うこともできず、衰えていくミミの姿を見ていられない。貧乏の自分には面倒が見切れなので、別れる方がいい」と言うのを聞いてしまいます。

物陰に隠れて立ち聞きしていたミミは泣き崩れ、ミミがいるのに気づいたロドルフォは彼女に駆け寄ります。二人は愛を確かめ合いながらも、お互いのために別れる決心をしました。

 

 

【第4幕】

ロドルフォはマルチェッロと再び創作活動に励んでいますが、ミミのことが忘れられないでいます。 コッリーネとショナールが食材を持って現れ、みんなで愉快な乱痴気騒ぎをはじめます。そこへ突然ムゼッタが飛び込んできて、体調を崩したミミが階段の下まで来ていると言います。ロドルフォは部屋を飛び出し、衰弱し切ったミミを部屋に担ぎ入れベットに寝かせます。

ミミは愛するロドルフォの元で最期を迎えたいと望んだのでした。彼女のために薬を買おうと、仲間たちはお金の工面に出掛けていきます。二人きりになったロドルフォとミミは抱き合い、幸せだった日々を静かに思い出を語り合いますが、みんなの帰りを待っていたかのようにミミは静かに息を引き取ります。

ラストシーンは、ミミの名前を叫ぶ声ロドルフォの声が、響きわたる中、オペラの幕を閉じます。

 

 

悲劇のオペラなので最後はミミは死んでしまい悲しみに包まれますが、『ラ・ボエーム』のオペラは、ボヘミアンの生活を明るく楽しく面白く表現されながらも、恋人の愛のロマンを語るシーン、2幕のクリスマスイブの華やかなシーン、プッチーニの美しくも演劇性のある音楽、とても素晴らしいオペラです。

 

 

 

 

 


Post Comment